英語の冠詞、正直いまだによくわかってません。
英語学習を始めてから何年も経つのに、**「a」と「the」ってどう使い分けるの?」という疑問がずっと頭の片隅にあります。
文法書にもいろんなルールが書いてあるけれど、いざ会話やライティングになると自信が持てない。英会話中も「今theでよかったっけ?」と考えてしまい、会話が止まりそうになります。
私自身、冠詞は本当に苦手でしたし、正直なところ今でも完璧に理解しているとは言えません。
でも、それって自分だけじゃない。冠詞って、日本人にとって最も難しい英文法のひとつとも言われています。
だから今回、自分の頭の中を整理するためにも、この記事で冠詞についてまとめてみることにしました。
2025年からロサンゼルスに住む予定なので、現地で生の英語に触れながら、冠詞の“感覚”を体にしみこませていきたいという思いも込めています。
英語の冠詞とは?そもそも何のためにあるの?
まずは基本の確認から。
英語の冠詞(article)には、大きく分けて以下の3種類があります。
- a / an(不定冠詞):特定されていないものを指す
- the(定冠詞):すでに知られている、特定されたものを指す
- 冠詞なし(無冠詞):物の性質や抽象的な概念を指すときなど
冠詞は、名詞の前につけて、その名詞が「どんなもの」なのかを聞き手に伝える役割を持っています。
なぜ英語の冠詞は難しいのか?
冠詞が難しい理由は、大きく3つあります。
① 日本語に冠詞の概念がないから
「猫」と「その猫」を区別したいとき、日本語では語順や文脈で自然に伝えるしかありません。
でも英語では、”a cat” と “the cat” のように明確に区別する必要がある。
つまり、日本語にない“意識の差”を習得しないといけないのが第一の壁。
② ルールがあるようで“感覚”で使う部分が多い
「はじめて登場したものにはa」「共有されたものにはthe」といった基本ルールはありますが、実際の会話や文章では例外も多く、ネイティブでも冠詞ミスはします。
たとえば:
- We went to the beach.(みんな知ってる“その”ビーチ)
- I saw a guy walking a llama.(なんか知らない人)
どちらも正しそうに見えるけど、**「聞き手が知ってるかどうか」「話し手がどう捉えてるか」**という主観的な要素が強く、ルールだけでは割り切れないのが難しさの根本です。
「a」と「the」の違いをイメージで理解する
文法的に「aは不特定、theは特定」…と言われても、ピンとこないこと、ありませんか?
ここでは具体的なイメージや例文を使って、感覚的に理解してみましょう。
例1:I saw a cat. / I saw the cat.
- a cat:どの猫かは知らない。「猫という種類の何か」がそこにいた
- the cat:前にも出てきた猫、または話し手・聞き手が共通して知っている猫
💡つまり、「a」は聞き手にとって未知のもの、「the」は既知のもの。

例2:He bought an umbrella. / He bought the umbrella.
- an umbrella:彼が買ったのはどんな傘か、私は知らない
- the umbrella:たぶん私たちが前に話してた“あの傘”
📌 ポイントは「聞き手がその物を知っているかどうか」。

例3:Let’s watch a movie. / Let’s watch the movie.
- a movie:何か映画見ようよ(どの映画かは決まってない)
- the movie:例の映画見ようよ(お互いわかってる映画)
🎯「the」は、話の中で登場したものや、現実世界で共有されているものによく使われます。
冠詞の落とし穴:無冠詞の例
英語では、冠詞が「つかない」ケースもあります。これがまたややこしい!
冠詞をつけちゃいけない代表例
- go to school / bed / church:日常的・目的的に使うと無冠詞
- at home, in prison, in hospital(←英英では無冠詞)
✅ 正しい:She goes to school at 8.
❌ 間違い:She goes to the school at 8.(特定の学校を指すならOK)
冠詞が変わると意味も変わる?
- in hospital(入院中) vs. in the hospital(病院という建物にいる)
- go to bed(寝に行く) vs. go to the bed(ベッドという家具の場所に行く)
💡ちょっとした冠詞の違いで、ニュアンスががらっと変わるのも冠詞の面白さであり、難しさです。
ネイティブの“冠詞感覚”に近づくには?
冠詞が難しいと感じる理由の一つに、「ネイティブが“無意識”で使っている」ことがあります。
彼らは文法ルールを意識しているわけではなく、「なんとなくこう言うのが自然」という感覚で冠詞を使っています。
たとえば:
- “I saw a dog outside.”
→ 初めて話題に出す犬。聞き手もどの犬か知らない。 - “The dog was barking loudly.”
→ さっき話した、あるいは2人とも知っている犬。
こうした使い分けは、ネイティブにとって「空気を読む」のと似た感覚です。
だから、ルールを勉強するだけでは限界があります。
ではどうやって感覚を養えばいいのか?
おすすめは以下のようなアプローチです:
- 英語の会話や映画を字幕付きで聞く → 文脈と冠詞の使い方を観察
- シャドーイングや音読で「a」「the」ごと発音して慣れる
- 冠詞を使った表現を丸ごと覚える(例:go to the store, take a seat, the other day など)
結局のところ、「感覚で使えるようになる」ためには、たくさん聞いて、たくさん口に出すことが一番の近道です。
練習してみよう|冠詞の使い方、感覚でつかめる?
以下の文の空欄に入る冠詞(a / an / the / 無冠詞)を選んでみましょう。
考えたらクリックして答えを確認してみてください!
1. I saw ___ interesting movie last night.
a interesting movie
「interesting movie」は初めて登場する名詞で、どの映画かは相手に知られていないので a が正解です。
2. She goes to ___ school by bus every day.
無冠詞
「go to school」は日常的な行動を示しているため、冠詞は不要です。
3. We stayed at ___ hotel near the beach.
a hotel
この文では初めてホテルの話が出ているため、a が自然です。
こういう問題を日々繰り返すことで、少しずつ「これtheっぽいな」「ここはaかも」という感覚が自然に育っていきます。
また、自分で例文を作ってみるのもおすすめです!
まとめ|冠詞は“正解”より“納得”が大事
英語の冠詞は、文法書でルールを読んでも完全に理解するのが難しい分野です。
なぜなら、その使い方には「感覚」や「状況」が大きく関わってくるからです。
確かに、「aは初出」「theは共有されたもの」という基本はあります。
でも実際には、話し手と聞き手の間で何が共有されているか、どの程度の情報が前提にあるかによって、冠詞の使い方は大きく変わってきます。
私自身、今も冠詞の使い方に迷うことがあります。
でもそれでも、英語を使い続ける中で少しずつ「この場合はtheっぽいな」とか「aの方が自然かも」という感覚がつかめるようになってきました。
これからロサンゼルスで生活していく中で、実際にネイティブがどういう場面で冠詞を使っているかを「耳」で聞いて、「口」で真似して、少しずつ感覚として身につけていければと思っています。
完璧じゃなくていい。
まずは、「気づけるようになること」から始めていきましょう。
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